REVERSI

休日ってゆう休日も取れないまま刊行前の数日は生き急ぐみたいに過ぎる。


仕事なんて辞めてパーって遊びに行きたい。好きなだけ寝て、ダラダラした生活が送りたい。別にあたしはキャリア重視な訳じゃないし、確かにやりがいとかそんなのはあるけど、仕事好きな女じゃない。

要はぐぅたらなのかしら。


だから、この移り変わりの激しい会社で、いつ辞めてもいいなんて思いながら、毎日をこなすあたしはやっぱり充実なんてしていないんだと思う。


意欲、意欲が足りないんだよね、


「吉沢」


本当、頭が痛い。


「また、か」


ん?


――ボスっ



鈍く響く頭。


「この時期おまえはいつまぼやっとしてるな」


木元さんが相変わらずイカつい顔で立っていて、あの鈍い音は丸めた書類で容赦なくあたしの頭をしばいた音だった。



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