REVERSI
「吉沢さん、元気ないすね」
横から決して控え目でない声を送るのは毎度同じくツトム。
「元気、というより覇気がないというか。あのいつものシュールさが単に疲れてるだけみたいに見えますよ」
いや、意味分からないし。
というか、大半おまえのせいだ、と言いたい。だけど、それって八つ当たりになっちゃうのかな。めんどくさ。
「あーまた俺をそんな冷たい目で見ちゃって!!この熱を冷まそうたって無理ですよっ」
何の熱だ。
「…もーなんか暑苦しいから仕事してよ。あたしも忙しい。ぐっばい」
完全に視界からシャットアウトして、あたしはパソコンのチカチカする画面に視線を移動させた。