REVERSI
「あ、りがとう」
なんか言葉に詰まる。胸が熱い。なんでこの人ってばこんなに優しいんだろ。何も言えなくなるじゃない。
「礼はいい。今日は泊まりなさい。俺は向こうで寝る」
愛おしそうに微笑んであたしの頭を撫でると、僚は起き上がる。同時に温度が逃げて、あたしは無意識に僚の腕を掴んでいた。
「…全く。困るな」
視線を逸らす僚。
「あ、ごめ」
「違う。謝るな。抑制が利かなくなる。」
「僚?」
「聖、君の事になると予想外が多い。俺で遊ぶな」
困ったように笑った顔がやっぱり優しくて、