REVERSI
「俺と麻由の関係ってとっくに壊れてる。麻由はそれに気付いてない。いや気付かないフリしてるのかもね。俺がどう思おうが、聖が何を言おうがそれは変わらない。永遠に離れた距離は近付かない。近付けようとも思ってない。例え、麻由が望んだとしても」
京ちゃんと麻由の間に何があったのか知らない。今も、知りたいとは思わない。だけど頑なに言い切る彼に何て言えば良いんだろう。
「聖が気にする事ないよ。」
京ちゃんが間合いを詰める。気付けば、手が触れる程傍にあって、
「俺が今気になる事は全く別だから。」
ツと頬を伝う冷たい指先に背筋がゾクリとする。
「態度に出ちゃうガキ―――か。確かにそうかもね」
熱を含んだ瞳から目が離せない。
「聖、俺が今求めてんのはおまえだけだよ。悔しいけどね」