REVERSI
「ま、麻由?ごめん」
何に対してのごめんだか、あたしも焦る。
『…聖?』
柔らかいトーンの声は動揺しているのを隠してなくて、
『京と一緒なの?なんで?どこにいるの?』
責めるような、泣き出しそうなそんな声だ。
「何にも言ってなくてごめん。京ちゃんと一緒だよ。今【a】にいる。」
あたしも、落ち着かせるように静かに声を出す。あたしは嘘つきで、どうしょうもないけど、大体どう対処すれば良いか分からないけど、どうにでもなれ。
「おいでよ、麻由」
話をしよう─────
あたしは俯かず京ちゃんも同時に見つめた。