REVERSI
「あたし、これでも感情はあるよ。何でも分かってますって顔してても何にも分かってないし。嘘つきだし、今も、誰かに対して嘘をつき続けてる。麻由、京ちゃんが好き?あたしが隣にいるのが許せない?」
静かな声、だけど、やや演技がかってキツい口調なのは、これから先を考えるからかもしれない。
麻由は赤い目であたしを睨み続けている。
「言いたい事言うのに肝心な事は言わない?計算だらけのぶりっ子だね」
あたしは心の底から侮蔑を込めた声を響かせた。