REVERSI


──────パンッ


乾いた音、頬の痛み、


投げた言葉は麻由の瞳に映るあたしを確認すると同時に、あたしの頬を鈍い痛みが走った。
麻由はあたしを見据えて確かに怒りを孕んだ表情をしている。

席を立とうとした京ちゃんを腕を掴んで止めた。


「…やれば出来るじゃん」



ヒリヒリとした頬の痛みはむしろ心地良い。


「…麻由いい加減にしろ」

京ちゃんが低い声を這わせる。あたしを通り越して麻由を見つめる。
その言葉を合図に麻由の瞳からとうとう大粒の涙から溢れ出した。


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