REVERSI

「夜中に一人で出歩かないでくれ」

あの僚の呆れた怒声の理由はそれだったのかと思うと力が抜けた。

「…ん」

「心臓が止まるかと思った」

「…ん」

「全く、厄介だな」

「…?」

「いや、いい」


僚は疲れたように苦笑して、くしゃりと頭を掻く。



やっぱり勝手な女でいたいと願う。


もういつも通りの僚に言いようのない罪悪感が巡ってるあたしは、本当にどうしようもないから。


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