REVERSI


『────きっちり一週間後、日本航空002便サンフランシスコ行き午後6時半』



残された時間は少ない。ううん、今までの事を考えたら十分かもしれない。

焦燥で頭が痛い。タクシーを拾ってあたしは僚のマンションへ向かった。何となく、会える気がしなくてそんな自分に更に参る。

僚がくれた全ての偶然が、必然でも、作られたものでもなんでも良い。あたしと僚の糸がまだ繋がっているなら、この気持ちが諦めに走る前に。


あたしの平凡な人生の中で僚という存在はなんて非凡なんだろう、といつか思ったそれを流れる景色を見つめながらまた、思った。


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