REVERSI
張り詰めていた何かがパチンと弾けた感覚、言い表すのが難しい。
押し寄せてくる何かが、怖くて、
「分かった」
と答えたあたしの声がすごく遠くに聞こえた。
もう、遅い。とそう言われても仕方ない。
それだけあたしは僚を突き放して、回り道をして、何度も僚を選ばなかった。
僚の一言、それで理解できないほど馬鹿じゃない。もうこれ以上、同じ時間を共有出来ない。
「ごめん、ね」
自分の声なのに、他人の声みたい、
冷静な頭なんてどこにもないのに、声はひどく動揺を隠して、こんな事ばっかり上手くなった自分に泣きたいくらい笑える。
僚とあたしを繋ぐ何かはもう切られてしまったんだと、やっと分かるなんて。