REVERSI
* * *

「ひじり~、またこの前何も言わずに帰ったろー」


やっと迎えた不定期な休日の今日。


不機嫌にあたしの頭を小突いたのは、長い指先。見つめるのは少しつり上がった猫目のくっきりとした瞳、その濃い黒の色はすごく綺麗。間延びした口調は独特で、声が好き。スッとした鼻も肌の色が黒いのも似合うし、何より口元がエロい。


「だって、京ちゃん気持ち良さそうに寝てたし」


その口元を眺めてたら、キスしたくなってきた、なんてあたしは重傷だ。


「起こせばいーじゃん。だから、ひじり嫌い」


まだ不機嫌さが消えないのか京ちゃんはプゥと膨れてみせた。



あー…可愛い。萌ー。



「…ひじり、今、頭の中ピンクでしょ」

「そんな事ないよー」

「いや、顔がキモいもん」

そう言って京ちゃんは、心底嫌そうな顔をして、煙草を手に取った。


ツンデレ、最高!!


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