REVERSI
『もし、“次”があったとしても、あたしはあなたなんか知らないふりをします。』
そう言ったのはあたし。
だけど、こんな風に使うとは思わなかった。何かの罰ゲームなんじゃないかと思える程に。
もう頭が飽和状態過ぎて、
…お兄さん?全く似てねぇ。
なんて隅の方で考えた遠い意識。
多分、これは必然的で、有り得ない運命。
『久瀬僚』
彼の自己紹介に、あたしはしっかり頷けただろうか。
『吉沢聖』
あたしは、義務的に挨拶を出来ただろうか。
知らないふりをして、何もなかった事にして、
あたしは笑えただろうか。