REVERSI

「絵になるね、てゆーかエロい」



マスターが目尻に皺を寄せて微笑む。



「ひじりはエロいよ~」

京ちゃんはあっさりと肯定して、グラスを空けた。

「んー、二人とも美男美女だから目の保養になるね。」


なんて軽々しく言い放つマスターも大人のフェロモンを惜しげもなくバラまいているけど。



「京ちゃんが美女なのは認めるよ、京ちゃん以上に美人見た事ないし」


あたしは煙草の灰を落として京ちゃんの襟足の長い緩い髪をくすぐるように触った。


「…何で俺が美女なの~?それにひじりは性格は男っぽいけど見かけは女だよ~」


…あらあら、褒めてるのかしら?貶しているのかしら?


「…女だもん、当たり前じゃない」

「可愛くない~」

「別に構わない~」


京ちゃんの口調を真似しながら、すっかり趣旨の変わった会話も、ふざけあえば楽しいんだから仕方ない。



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