家に着くと寝てしまったら動け無くなってしまいそうなので、簡単で申し訳無いけど羽夏さん用の温めればすぐ食べれる夕食を作る。
ラップを掛けて冷蔵庫にしまうと、シャワーを浴びる。
家には当然だけど誰もいない。
携帯を見ると羽夏さんから学校が終わったらすぐ帰るとメールがきていたので大丈夫と返信する。
永久くんは忙しいのかな。
何も連絡はない。
寂しい。
我が儘になったなと自分に呆れる。
自分の部屋では無くていつも寝かせてもらっている永久くんの部屋に来てしまう。
ドアを開けるとカーテンが閉まっていて薄暗い。
ベットに横になると微かに永久くんからいつもする日なたのような温かい香りが包む。
「永久くん…」
毛布を顎まで被る。
温かい。
安心する。
痛みも和らぐ気がする。
自然とまぶたが落ちる。
「永久くん……好き………」
誰にも聞こえないように、呟く。
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