夏
7
連れて来られたのは昨日とは違う場所。
今度は体育館の裏の古い体育倉庫だ。
倉庫はこの学校にはふたつ在って、ひとつは普段体育の授業や部活で使う道具の入った倉庫。
校庭の中にある。
私のいる倉庫は体育祭や文化祭等でしか滅多に使わない備品のある倉庫。
体育館裏で人通りはまず無い。
キィ
錆びた嫌な音をたてて扉を軋ませながら倉庫の扉が開く。
「……此処でいいじゃない…」
中が見えない程、奥は暗くて私を怖じけさせるには充分だった。
「此処じゃつまんないでしょぉがぁ」
甲高い声。
頭に響く。
「入れよっっ」
5人に蹴られて倒れ込むように倉庫の中に入る。
砂埃が舞い上がり、目が痛くて擦る。
余計ひりついて目が開けられない。
生理的な涙が滲み出る。
「あっはっはっまぢウケる汚いしぃ」
蛙のように転んでいる私がおかしいと、侮蔑の言葉と暴力。
2年前まで当たり前だった。
あの時みたいにただじっと致命傷を避けて、うずくまって時間が過ぎるのを待てばいいだけ。
今度は体育館の裏の古い体育倉庫だ。
倉庫はこの学校にはふたつ在って、ひとつは普段体育の授業や部活で使う道具の入った倉庫。
校庭の中にある。
私のいる倉庫は体育祭や文化祭等でしか滅多に使わない備品のある倉庫。
体育館裏で人通りはまず無い。
キィ
錆びた嫌な音をたてて扉を軋ませながら倉庫の扉が開く。
「……此処でいいじゃない…」
中が見えない程、奥は暗くて私を怖じけさせるには充分だった。
「此処じゃつまんないでしょぉがぁ」
甲高い声。
頭に響く。
「入れよっっ」
5人に蹴られて倒れ込むように倉庫の中に入る。
砂埃が舞い上がり、目が痛くて擦る。
余計ひりついて目が開けられない。
生理的な涙が滲み出る。
「あっはっはっまぢウケる汚いしぃ」
蛙のように転んでいる私がおかしいと、侮蔑の言葉と暴力。
2年前まで当たり前だった。
あの時みたいにただじっと致命傷を避けて、うずくまって時間が過ぎるのを待てばいいだけ。