夏
16
「相良ちゃんの初めてになりたかったんだけどなぁ~白石とやっちゃってたんだぁ。
ショック」
「はぁ?初めてとかメンドくせぇだけじゃね?」
「そお?おれは好きだけどぉ」
「てか誰からやる訳?」
「えっオレオレ~ッ」
「バッカ公平にじゃんけんだよこういう時は」
「あ、逆に聞いちゃう?本人に」
煩い声がこちらに向けられる。
男子が喋っている間、女子が殴ったり、蹴ったりしていたから、体中痛くて起き上がれない。
起き上がりたくない。
これもまた、永久くんの迷惑になるのかな。
もう
消えていなくなりたい。
永久くんの事だけを想って。
誰にも迷惑をかけない。
誰にも見られない。
どこかへ、消えたい。