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自宅に戻ると、かかりつけの医者を呼び出し、なおを診させる。
幸い、内臓や骨に異常は無かった。
ただ、打撲と擦り傷は体中で、包帯だらけのなおは痛々しかった。



そんななおをベッドの傍で見守っているとなおのまぶたがぴくりと動く。
苦しそうに眉根が寄せられたと思うと、うっすらと目を開く。

ゆっくりと目を動かし、俺を見つけると安心したように目を輝かせたが、すぐに眉尻を下げた。


毛布を鼻まで引き上げるとごめんなさい、と小さく呟いた。


苦しそうに言われたその言葉に、思わずなおに覗き込むように近付く。
毛布の上から頬を包み込んで、額にキスする。


「ごめんねは、こっちだよ。………ごめんね」


頬に貼られたガーゼに触れる。
悔しくて、目が熱くなる。


「守るって約束、破ってごめんね。こんな怪我させて…」


傍にいるって、傷付けさせないって約束したのに。



「わ、私が悪いの…私が、もっと、ちゃんとした子、だったら…だから」

ちゃんとした子ってなに


どうせあの女子のグループだってその中の誰かが選ばれれば嫉妬してまた同じことを繰り返す。

結局、理由を付けて自分以外は認められないのだ。


いつの間にかベッドに乗り、毛布越しに体で押さえてなおを縫い付ける。


逃がさない。



だから、なに?



それでも俺はなおを離せないんだよ。



「なお、ごめんね、離してあげれない」


次の言葉を紡がないように、今度は唇にキスする。

「っふ、と、わくっ……」


毛布を掴んでいた手が、俺を掴む。
それすら嬉しい。


傷に障らないように、体重をかけないように、丁寧にキスする。
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