「今日夜出掛けるから仮眠してくる。透尚、悪いんだけど」
席を立ち上がりカップを流しに置くと、ドアに向かう。
「うん、夜食用意しておくね。家で食べるかな?」
彼女はちゃんと外出先でも食べれる用や、家でしっかり素早く食べれるご飯を用意してくれる。
永久には勿体ない可愛くて優しい女の子だ。
まぁ、透尚が永久を、永久が透尚を必要とするのだから仕方ないけど。
「家で食べる。多分春も帰ってくるからよろしくね」
料理の出来ないうちら二人は、この二人の料理に生かされているといっても過言ではない。
健康を気遣い、味も絶品の料理を食べ続け、舌が肥えそんじょそこらの物が食べれなくなった。
完璧なる依存である。
なのでたまには二人を甘やかしてみる。
「なお、おいで」
普段絶対聞く事のない冷血冷徹男が唯一の人に発する甘い声を背中で聞く。
これ以上は邪魔でしかないので、静かにドアを閉める。
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