愛の毒が廻る頃には 【超短編集】
「ありがとう高橋!本当に奇跡だよ。俺とあんな美人が付き合うなんてさ」

田中は男泣きしている。あの決意は本当に真剣だったんだ。

安堵感からか、僕まで嬉しい感情が湧き上がった。

「田中、これからは彼女の隣で仲良く授業受けろよ。俺の事はいいからな、気にせず彼女と同じ最前列に座って…」

「何言ってんだよ、高橋。俺達付き合うとは言え、表面上は今まで通りの関係でいいんだよ。大体、彼女の隣に席なんか無いだろ?

今まで通り、授業中は“教授と生徒”の関係でいいんだ」

一瞬にして僕は息を呑んだ。

教授と生徒?

教授と生徒?

教授…と…生徒?

「お前、彼女って…告白したのって…まさか…」



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