愛の毒が廻る頃には 【超短編集】
それからの事はよく覚えていない。

引きつった親族達の顔、出席客達の怒鳴り声。

そして新郎である一茂の、有り得ないくらいに青ざめた顔。

警備員につまみ出されるまで、恭子は脳内に浮かんだありとあらゆる暴言を吐いた。

“いい気味だわ”



後に、二人の結婚は破談になったと聞いた。



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