愛の毒が廻る頃には 【超短編集】
ホウキは後ずさりした。確かに柄が無ければただのボサボサした怪しい扇子みたいになってしまう。

(俺が竹ボウキだったら簡易にへし折られやしねえのにな)

簡易ホウキは竹ボウキだった祖父を思い出した。『俺に履けないゴミなんぞ無いわ!』が口癖の強くてかっこいい祖父だった。

(俺達ホウキは、いつからこんな弱い棒っきれなんかに成り下がったんだ…。)



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