愛の毒が廻る頃には 【超短編集】
朝日が水平線から顔を出し、辺りを照らした。

決着の時刻が来る。

ホウキとちりとりは互いの体を思い切りぶつけ合った。

ホウキの柄が今にも折れそうに、バキバキと雷鳴の如く音を轟かせる。

ちりとりのプラスチックの破片が、花火みたいに飛び散る。

お互い壊れても構わない。

負けられない戦いが男にはあるのだ。


突然、朝日が照らす朝靄の中から声が響いた。

「…馬鹿やろう!お前ら何て事してやがる!?」



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