愛の毒が廻る頃には 【超短編集】
「どうせ警察官とかでしょ?今からじゃ到底無理ですよ」

「違うね。文無しがヒーローになるにはコイツになるしかない。教えてやるから耳貸しな」

藤井は店主の方へ振り向き、その皺々の口元に耳を寄せた。


店主からの答えを聞いた後、思わず藤井は店主の顔を見つめた。

「とりあえず頑張って見ろや」

そう言って、店主はヤニで黄色くなった歯を突き出してニカニカと微笑んだ。



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