愛の毒が廻る頃には 【超短編集】
「私なんか同棲してる彼氏にチャーハン作っただけで、下痢されたのよ。もうお前の手料理は勘弁だ!とか言われて…」

姉は妹の笑い話にケラケラと笑う。姉が結婚してから、もう10年が経つ。同棲していた5年を入れたら、15年も康彦さんに手料理を食べさせているのだ。

「お姉ちゃんてさ、毎日よくそんなに献立を思いつくねえ、尊敬するよ」

「好きな人のためなら、そんなに苦じゃないわ」

姉の口ぐせだ。



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