愛の毒が廻る頃には 【超短編集】
「やっぱり康彦さんと15年も仲良く暮らすコツは、愛情こもった手料理の賜物なのかなあ。

料理上手は床上手なんて言うし…」

「バカ」

姉は受話器越しから、恥ずかしそうに笑った。

「お姉ちゃん…あのね、最近…彼氏が夜帰って来ないの。浮気かもしれない。

でも私にも責任があるの。最近ずっと友達とかと飲みに行ったりばかりで、ロクに彼氏の面倒見なかったから。

私…反省してんの。だからね、お姉ちゃん。料理教えて!一つか二つでいいから。美味しい料理作ってあげて、彼氏をビックリさせてやろうと思って」



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