愛の毒が廻る頃には 【超短編集】
海藻の味噌汁は、髪の毛と骨を混ぜて味噌汁にしてみたの。本当にいいダシが出たわ。

手羽先は、その名の通り。手を油で揚げたの。ダジャレじゃないわよ、もう!


太巻きは…もちろん康彦さんのペニスを海苔で巻いたのよ。恥ずかしいわ」


姉が嬉しそうに話す後ろで、妹は泡を吹き上げすでに気絶していた。

「康彦さんね、『別れよう』って私に言うから。

私と別れて若い浮気相手と結婚したいから…なんて。ヒドいでしょう?

私ね、何度も何度も別れないでって泣いたの。お願いしたわ、だって愛していたから。

それでも康彦さんはどうしても私と別れたいって言うから…」



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