俺とお前と宇宙たわし
宇藤の手に握られたたわしがおかしいことに気づいた。
「・・・ん?」
気づいたのと同時に、宇藤が抱きついてきた。
「野良あぁ!俺が悪かったぁあぁあぁ!!許してくれ!!」
宇藤は手に持ったたわしを放り投げていた。
「お前ッ・・・たわし・・・ッ!!」
普通は放物線を描いて落ちていくはずのたわし。
このたわしは普通じゃなかった。
「たわしがどうし・・・わぁッ!?」
そのたわしは、宇藤に向かってすごいスピードで落ちていく。
『野良さぁぁぁぁぁん♡ 大好きーッ♡』
「は!?誰だッ!?」
俺と宇藤(とたわし)の周りには誰もいなかった。
ただでさえ、ここはど田舎の道の真ん中だ。
ごん。
そうこうしているうちに、たわしは宇藤の頭にぶつかった。