先生……
先生から花びらを受け取っていたとき…

ひらりと舞い落ちてきた一枚の桜。

「………わぁ。」

「おめでとう!山本さん。」

「あ、ありがとうございます!」

落ちてきた花びらがやけにスローで見えたのは何でかな。

ゆっくり、ひらひらと。

ドキドキした。

あまりにも綺麗で……。

自分で集めたもの、先生からもらったもの、そしてあの花びらを両手の中に入れる。

そのときの私には、あの花びらは小さな幸せみたいに思えたんだ――……。
< 18 / 72 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop