聖盤遊戯
午後11時30分。
琉はもうすでに眠っているらしく、部屋は静まり返っていた。
窓から差し込む光は月光。
薄暗い光が余計に怜の中にある僅かな恐怖心を掻き立てる。
「…行かなきゃいけないよな」
怜は自分に言い聞かせて、静かに部屋を出た。
真っ暗に近い廊下は辛うじて道が見えるだけ。
そんな中を手探りで進んでいくと、少しずつ目が慣れていくのを感じた。
図書室の場所は4階の西棟。
寮とは反対側に位置している。
怜がやっとのことで、渡り廊下にたどり着いたその時。
背後で何かが動くのを感じた。
そして闇に響いたのは何かを鋭く切り裂くような音。