聖盤遊戯
「能力が僕にもあったってことなんですね」
「…理解力があって助かるわ」
つまり"Yes"なんだろうと怜は解釈した。
自分でもわからなかった、普通とは違う能力。
それをこれからどんな風に教育されていくのだろうか。
「試験の時に襲ってきた、あのケモノは何だったんですか?」
「あれは『魔具』の一つよ。 能力者によって創られた幻覚みたいなもの」
「幻覚…あれが」
信じられないこと、わからないことはまだたくさんあった。
まずは自分の中に潜んでいる、『力』。
最後にそれについて訊こうと思った時だった。
「…最後に貴方が特進科を受けるに当たって必要なことを教えるわね」
「?」
「天樹 怜、レベル6の魔剣操作能力者。 …これは明日からの日程表」
未来はそう一言言い残すと、部屋を後にした。
明日から自分は『能力者』として生きることになる。
怜は窓の外に広がる広い庭を見つめて溜息をついた。