聖盤遊戯
ここが凰綸学園の中等部。
そう言われたとき怜は思わず目を見張ってしまった。
余りにもそれが校舎と言うには大きすぎるから。
「校舎と…寮も一緒になってるんですか?」
「えぇ、その通りです」
例えそうだとしても広すぎる。
本当にここは学校なのか?
多くの疑問が自分の頭を駆け巡る。
怜の気持ちも知らず、未来は微笑みながら書類を出していく。
「では、学園についての簡単な説明をしますね」
「あ…とりあえずお願いします」
「まずこの学園は小学校~大学院までのエスカレーター制で…」
それから未来の長い説明が延々と続いていく。
ベンチに腰掛けながら、怜は庭園の奥にある校舎を見ていた。
…まだ結構距離がありそうだな。
そんな怜を一陣の風が過ぎていった。