聖盤遊戯
その後怜は未来に連れられ、やっと校舎の中に入ることが出来た。
学園はとても綺麗なのにどこか暗い感じがする。
建物自体が古いからだろうか。
「天樹君、じゃそろそろ教室に行きましょうか」
「はい」
未来に言われて怜は素直に教室へと連れられていく。
怜の中では新たな場所に対する期待よりも、学園に対する好奇心の方が遙かに上回っていた。
ざわめく教室に入った怜を待ち受けていたのはたくさんの生徒と広い教室。
「さ、早く自己紹介して?」
「…今日から転校してきた天樹 怜です。 よろしくお願いします」
怜がそう言うと、生徒たちは急に静まり返って視線を送る。
中には睨み付けるような視線を送る生徒もいた。
その時怜はこの学園は普通の学校とは何かが違うことを強く感じた。
『普通の学校』とは違う何かが此処にはある。
この学園に着いたときから怜は直感的にそれを感じていた。
「それじゃ、天樹君の席は一番後ろのあそこね」
「はい」
指差された先の席について、いくら深呼吸をしてもそれが消えることは無かった。