聖盤遊戯



寮で暮らしてみればわかる。
一体寮に何があるんだろう…?
怜の中にはさっきの紅夜の言葉が渦巻いていた。



「これでHRを終わります」



未来の言葉でHRが締め括られ、生徒たちは部活に行ったり寮に戻ったりしている。
こうして見ると普通の学校生活と変わらない気がするのに。
怜は無意識のうちに未来からもらったペンダントを握り締めていた。



「おい、天樹」


「…何?」


「寮の場所、教えるから」


「そうだった」



親切にそう教えてくれたのは翠川だった。
翠川 琉は初めて話した男子生徒。
たぶん、友達になれるような気がした。



落ち着いて見える黒髪に黒フレームの眼鏡をかけていて、綺麗な顔立ちをしている。
口数は少ないものの性格は良いほうだと思う。



「ここ、俺と二人部屋だから」


「わかった。 荷物片付けておく」


「じゃ俺は生徒会があるから、また後で」



そう言うと翠川は部屋から出て行った。
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