Amazing kiss
「そういえば琉衣さ、あれどうなった?」
『あ~‥、
なんかどうなったか分かんないんだけどさ、
大丈夫みたい♪』
「そっか。でもあんまり考えたらダメだよ☆」
『うん。ありがとね♪』
えりがすごく心配そうに、いつもあたしを気にかけてくれる。
あの事件が起こって以来、あたしは塾を一回も休んでいない。
おかげで高島先生に会える回数も増えたし、
頭の方もどんどん上がってきている実感がした。
「琉衣、昨日メール来てたの‥。
見る?」
奈津があたしに思い出したように言った。
『メール来てたんだ。
んーでも、いいや。』
無理やり笑顔を作って、わざと平気な顔を見せた。
この事件‥
あたしが生涯、
きっと忘れることのないもの。
『とりあえず早く体育館行こ♪』
あたしは暗い話題を消すかのように、
みんなを体育館へ連れて行った。