=キング of ビースト=



「ちょっと夜琉。」

と私が言うと

「ああ。」


と言って目におかれた手をどかした。よく見てみると私は夜琉の左腕にくるまれていたようだ。


チラッと店の人を見てみると男の人が


「夜琉の?」


と優しい声で話しかけてきたが、私はスパッと


「誰のでもない。」


と言う。私は誰かのものになるなんて嫌だ。すると女の人が


「ぶっはっ!!あんた最高だね。私は志織‐シオリ‐。名前は?」


「由莉です。」


「由莉ちゃんね♪あっこっちの失礼な男は広斗‐ヒロト‐私の旦那よ♪」


と言われたので広斗さんの方を向き、


「由莉です、よろしくお願いします。」


「由莉ちゃん、さっきは悪かったね。」


と眉を下げて言うので


「謝りまらないで下さい。私もため口のこと謝らないので。これでチャラにしましょう。」


とニコッと笑った。



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