=キング of ビースト=
下っ端たちも抑えようのない怒りを必死に抑えようとする。
だが、総長の夜琉が降りて来るのを見て、怒りを忘れ震え上がるように夜琉を見る。
これまでに見たことのない夜琉だった。
怒りを隠すことなく一点を見つめ、あまりにも冷たい雰囲気を出している。
夜琉は那龍に入ってから、一度も感情を露わにしたことがない。そんな夜琉が初めて見せた感情だった。
下っ端に目を向けることなくゆっくり歩いて雅の車に近づいて行く中、下っ端は夜琉が通る道を作っていく。
那龍の倉庫を出て目の前にある雅の高級車の目の前に立った夜琉。
『バァアーン!!!!!』
『バンッ!!』
『ドゴンッ!!!!』
と、車が凹む凄い音が聞こえてくる。下っ端から夜琉の姿が見えることはないが、音が聞こえるたびにビクッと肩を震わせた。