=キング of ビースト=
そのまま頭から手を離した夜琉。男はそのまま地面に倒れ込んだ。
夜琉は意識のない男の両手を蹴り上げる。両手が変な方向に曲がったとこで、馬乗りになって顔を殴り続けた。
下っ端たちが止めようとしたが、殴られて吹っ飛んでいくだけだった。
だが男を殴ろうとて腕を後ろに引いた瞬間、パシッと乾いた音がしたと同時に声がふってきた。
「らしくねぇな、夜琉。」
夜琉は男から視線を外すことなく淡々と
「それだけなら手どけてもらってもいいですか、広斗さん。」
「それ以上したら、死ぬぞ。」
「…。」
「由莉ちゃんは、夜琉が人を殺すとこなんて望んでねぇ。」
「…。」
「今すぐ、上に行け。由莉ちゃんが目を覚ました。」
「…。」
「俺は忠告したからな。後は勝手にしろ。」