=キング of ビースト=
「…。」
「…‥。」
気まずい沈黙が続く中、最初に沈黙を破ったのは私だった。
「このぐらい大丈夫だし。」
口がめっちゃくちゃ痛かったが、切れ切れに喋ったら、大丈夫に聞こえないからがんばった。
なのに夜琉は完全にシカトして顔を近づけて、私のケガをした肩に唇を付けた。
くすぐったい。
そんな私を見ても止めることなく、唇をケガをした肩に這わせていく。
「ょ…る…。」
私が呟いたのと同時に唇から舌をだし、丹念に舌を這わせる。
「ん‥ょる…っ!!」
止めて。と言おうとしたその時、顔が離れていった。
「悪かった。助けてやれなくて。」
「ょるの‥所為じゃ…‥ない‥。気にし‥な…‥いで。」
「…。」
その言葉に返事をすることはなく、夜琉はシップを綺麗に貼ってブレザーをきちんと留めていった。
病み上がりの私は熱が出てきていて、自然と瞼が下りていった。