=キング of ビースト=
「咲って子誰?」
私は小さく、呟いた。
「咲?なんで由莉が知ってる?」
うわっ私早くも失恋しちゃうの?
「紅雨が言ってた。」
「咲は…幼なじみだ。」
やっだ、泣きそう。そんな私を見て夜琉は
「そんな事で、俺を呼ばなかったのか?」
「そんな事じゃないし!!」
「不安がんな。なんかあったら俺に聞け…咲はまだ11歳だ。」
「…。」
じゅういち?11?まじ!?私凄く恥ずかしいんだけど。
「お前、どんだけ俺に惚れてんの?」
ニヤっと笑って言った夜琉。
「でも、お前まじこんな事になるぐらいだったら、最初に俺に聞け。咲の事がなかったら、俺に助けを求めたんだろうが。」
「…。」
返事が出来ないのは、当たってるから。
「お前がケガするぐらいだったら何でもしてやるし、何でも聞いてやる。」
「うん。」
「だから、ケガする前に俺呼べ。」