=キング of ビースト=



すると那妃は俺達を真っ直ぐ見据えながら歩いて来て俺達のいる一段下の段に降りてきた。


ああ、流石夜琉さんの選んだ女の人だ。


同じ段に居ることによって、立場を対等にさせたかったんだろう。


俺達を見下ろすことは決してしなかった。


形のいい唇がゆっくり開く。


「金堂由莉よ。勝手に倉庫に来て、勝手に居座って。私が勝手に居なくなった時、捜してくれたって聞いた。迷惑かけてごめんなさい。けど、私なんかを探してくれてありがとう。本当嬉しかった。」


優しく笑った顔は本当に綺麗で、俺達のほとんどが見とれていた。


人を魅せるような笑顔。


那妃にぴったりどころか、それ以上だ。



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