=キング of ビースト=




――――――


俺と紅雨は昨日のハンカチを持って俺の親のいる会社を訪ねた。


ロビーの受付に行き、

「市村 璃玖。俺の親に会いたいんだけど、電話つないでくれる?」

と優しい声で話しかけると、受付嬢は頬を赤らめ


「はい。すぐにいたしますので少々お待ちください。」


と言った。



正直キモい。
だけど『女の子には優しく』が俺のモットーだから仕方ない。


「繋がりました。」


と声をかけられ、

「ありがとう。」

と言う。


そして俺は電話を手に取ると

「話したいことがある。今からそっちに行っていい?」

と聞くと、電話ごしに聞こえる声に耳をすます。

「まぁ、璃玖からここに来るのは初めてじゃない。いらっしゃい。場所は、わかるわね?」



「場所くらい調べて来たさ。」


と言って、受付嬢に電話を渡す。すると1枚の紙切れを渡された。

俺はニコッと笑うとロビーを後にした。


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