=キング of ビースト=


「私なんかに心を預けないで。あなた達の心はあなた達が持っているから、美しい。私があなた達の心を授かっても、あなた達の心は輝くことができない。」


「俺達は忠誠を誓うくらい、那妃を慕っています。」


「ねぇ、侑。それは悲しい。」

「どうしてですか?」


「あなた達が慕っているのは、世間的に見られる那妃?私は那妃ではなくて、由莉としてあなた達と接してきた。」


「!!!!」


「でも、ありがとう。本当にうれしいわ。」


「…いえ。」


「由莉さん?」


「何、颯?」


「那龍に来て下さってありがとうございます。」


「フフッ。こちらこそ。私は夜琉に、あなた達に出会えて本当に感謝してる。」


「…夜琉さん?」


颯が夜琉を呼ぶと夜琉は視線だけを颯にむける。


「良い人見つけましたね。」


「…。」


「絶対に離さないで下さい。」

決意のこもった目で颯は言った。


「ああ。」



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