=キング of ビースト=
「だから知らないの。心が夜琉じゃなきゃダメっていってる。私は自分の本能に逆らわないから。」
「…。」
「紅雨や弘樹、璃玖は好きよ。けど夜琉は言葉に言い表せる存在じゃない。」
「…。」
「…愛してる。これ以上の言葉が欲しい。」
「わからない。愛してるってなんだよっ!!」
「…。」
「愛ってなんだよ!!っっなんで俺はっ愛されなかったんだよ!!」
「…。」
「なんで俺の母さんはっ俺を生んだんだよっ!!いっそ生まなければよかっ『ガァァァァアン』
私は、テーブルを蹴った。痛みなんて感じないほど怒りに身が震えていた。
テーブルを蹴った音がしてすぐに、勢いよくドアが開き、同時に夜琉の焦ったような声が聞こえた。
「由莉っっ!!!!!」
だけど、私は夜琉に返事をする余裕もなかった。