=キング of ビースト=



「…。」


「命がある限り、絶対に生きることに執着しなさい。生きることを諦めたらダメ。弘樹にしか歩めない人生、長く歩まなきゃ。」


「…。」


私は今の思いを全て弘樹に伝えた。それから、テーブルを蹴ってしまったことを夜琉に謝る。

「…夜琉、ごめんなさい。私がテーブル蹴ったから。」


「気にしなくていい。大丈夫か?」


「うん。ありがとう。」


「由莉が大丈夫だったらいい。」


「フフッ。」


「弘樹、帰れ。理由が何にしろ、由莉は病み上がりだ。」


「ちっ!!!」


夜琉の低い声にビックリしたが、弘樹はそんな夜琉を気にする様子もなく部屋を出て行った。


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