=キング of ビースト=
感謝
朝目が覚めると既に夜琉は起きていて
「おはよ。」
「ああ。」
「ちゃんと寝た?」
「ああ。」
「ならいいけど…。」
正直時々心配になる。だってまだ一度も夜琉の寝顔を見たことがない。
「どうした?」
「何でもない。」
「言え。」
優しく言われて私は降参した。
「夜琉いっつも起きてるから。」
「は?」
「寝てるのかなって。」
「ああ、ちゃんと寝てっから。」
「…そう。」
納得いかない感じで私が答えると、
「何?心配してくれてんの?」
珍しくニヤっと笑って挑発してくる夜琉。
私はカッとなって
「しょうがないじゃない。
ーーー…それだけ夜琉が
愛おしくてたまんないっ-…!!」
私は少しかすれた声で甘く夜琉の耳元で囁いた。
私の作戦は成功したようで、夜琉は不意打ちをくらったようだった。
けどすぐに
「由莉が誘ったんだからな。」
耳元で呟く甘い声。私達2人しかいない総長部屋に響く。