=キング of ビースト=



「親父。」


と言った俺のほうに顔を向けてくる親父。


かすかに視界に入っている紅雨が、ピタッと笑いをやめる。


「やっだぁ、りーくん♪それで呼ばない約束したじゃない。」


「そんなのしてねぇよ。」

冷めた声で答える俺。

ポカーンとしている紅雨。



「はぁ。」

思わずため息をついた。

すると紅雨が恐る恐る話しかけてくる。


「えーっと…璃玖は‥お母さんと言い間違えたんだよね?」



「ちげーよ。こいつはれっきとした男「いやーん♪この子超いい子じゃないのぉ。お名前は?」


ちっ


俺の言葉にかぶせてきやがった。


親父は紅雨に抱きついてるし、紅雨はキョドってるし、まじ最悪だ。


どうしよう。


「早く♪な・ま・え☆」

とりあえずきもい。


「えーっと、紅雨です。」



「ん~じゃあ、くーたんね♪」



「ぶっ!!」


今度は俺が吹き出してしまった。


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