=キング of ビースト=
「顔色が悪い。」
「…。」
若干顔色が青白くなっている由莉の顔を見て言った。
さっきまでは夜琉を止めることに必死になっていたが、気が抜けたのか血の匂いに体が無意識に反応していたのだろう。
夜琉に悟らないようにしていたようだが無意味だった。
ベンツの車の前まで来ると夜琉がドアを開けて由莉を乗せると自分も乗り込み、芯に向かって
「出せ。」
と言いった。さらに気分が悪くなったのか
「夜琉、横になってもいい?」
と聞く。夜琉は黙って由莉の頭を自分の膝にの乗せると
「寝ろ。」
と言った。
「…ーうん。」
と曖昧に答えた由莉は疲れもあってすぐに眠りについた。