=キング of ビースト=
「私は夜琉がスキ。だから怪我も喧嘩もしてほしくない。」
由莉さんは目を瞑った。
「なのに…その原因を作ったのは私。」
「…。」
「私が星龍に捕まらなければ、こんな事にはならなかった。」
瞑った目を開け、車の窓の外を見る。
そこには血に濡れた一面が広がっていた。
その時夜琉さんが星龍の総長を一発で仕留めた。
そこまでは良かった。だが、次の瞬間夜琉さんは、もう動く事のできない星龍の総長を蹴り続けた。
俺の視界の片隅で由莉さんが目を見開くのが分かった。
那龍の人間が夜琉さんを止めに入るけど、蹴り飛ばされる。