=キング of ビースト=
車を降りて直ぐに下っ端達が道を塞ぐ。
「どきなさい。」
由莉さんが静かに言う。
だが下っ端達も一歩も引かない。
「どきなさい!!!これは那妃の命令よっ!!!」
こうでも言わないと退かない事を悟ったのだろう。
那妃という権力はすごい。
下っ端達が退くとそこには璃玖さんがいた。
「由莉ちゃん…危ないから。」
「…璃玖は夜琉が人を殺しても良いって言うの?」
静かに怒りを露わにしながら問いかける。
「そんな事させない。」
「でも璃玖達じゃ夜琉を止められてないじゃない!!!」
「…。」
「夜琉を止めてもいないのに偉そうな口聞かないで。」
「~っ」
ああ…自分を犠牲にしてでも夜琉さんを助けたいと想っている。
下っ端や、璃玖さんに酷い事を言って自分が嫌われても、夜琉さんを助ける事ができたらきっと後悔はしないのだろう。