=キング of ビースト=



私だってバカではないから、この男が私に何もして来ないことは、目を見てわかった。


「会って欲しい人がいるんだ。」

と言われた時の目は本当に本気で私に頼みごとをしていて、何とも言えなくなった。


しかも

「無理って言うんだったら無理やり連れてく。」


と脅された時の目も本気で、本気になった男の人の力にかなうはずがない。


私は無言で男の後を着いて行ったが、裏門を少し過ぎたところに黒のセダンが止めてあって、

「乗って。」

と言われ後部座席に乗り込むと、さっき校門にいたあと1人のかわいらしい男の人が乗っていた。


私が車に乗り込んだのを確認してから、編みこみの男が助手席に乗り込み

「出せ。」

と言い、ゆっくりと黒のセダンが動き始めた。



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